私はS&P500に投資する方法として、投資信託だけでなく、1655という国内ETFも保有しています。
1655は、S&P500に連動する国内上場ETFです。
簡単にいうと、米国のS&P500に連動する商品を、日本市場で株のようにリアルタイムで売買できる銘柄です。
正式名称は「iシェアーズ S&P500 米国株 ETF」です。
一方、NISAでも多くの人が購入している投資信託に、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)があります。
どちらもS&P500に投資できる商品ですが、仕組みや使い方には少し違いがあります。
この記事では、1655とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を比較しながら、分配金があるETFの魅力と注意点をまとめていきます。
なお、この記事は1655をすすめる目的ではありません。
私自身が1655を保有して、実際に分配金を受け取って感じたことをまとめたものです。
投資判断は、ご自身の目的やリスク許容度に合わせて考えてください。
1655とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の違い
まず、1655とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の違いを簡単に整理します。
どちらもS&P500に投資する商品ですが、商品タイプが違います。
1655はETFです。
ETFなので、株と同じように日本市場が開いている時間に売買できます。

一方、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は投資信託です。
毎月の積立設定がしやすく、100円単位でコツコツ投資しやすい商品です。

リアルタイム価格でのトレードはできません。
簡単にまとめると、次のようになります。
| 項目 | 1655 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) |
|---|---|---|
| 商品タイプ | 国内上場ETF | 投資信託 |
| 投資対象 | S&P500 | S&P500 |
| 売買方法 | 株のように市場で売買 | 基準価額で売買 |
| 分配金 | 年2回の分配方針(支払い・金額の保証なし) | これまで分配実績なし |
| 積立のしやすさ | やや工夫が必要 | 自動積立しやすい |
| 向いている人 | 分配金を受け取りたい人 | 放置で積立したい人 |

分配金は、ETFなどから投資家に支払われるお金のこと。
1655は年2回、この分配金を受け取れます。
ただし、分配金があるから必ず得という意味ではありません。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)はこれまで分配金を出しておらず、配当などの収益はファンド内に留まり、基準価額へ反映されます。
「分配方針に基づいて現金を受け取るETF」と「収益をファンド内に留める投資信託」という違いです。
どちらが絶対に良いという話ではありません。
同じS&P500に投資する商品でも、使い方や感じ方が少し違うということです。
管理費用は1655の方が少し低い
管理費用を見ると、1655の方が少し低くなっています。
| 商品 | 管理費用・信託報酬 |
|---|---|
| 1655 | 年0.0660%程度(税込) |
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 年0.0814%以内(税込) |
1655の信託報酬と分配履歴は、運用会社のブラックロック公式商品ページで確認できます。1655はNISAの成長投資枠対象で、売買単位は10口です。
数字だけを見ると、1655の方が少し安いです。
ただし、差は大きくありません。費用は改定されることがあるため、購入前に最新の目論見書を確認してください。

差は年0.0154%程度。
100万円投資していた場合、単純計算では年間154円ほどの差です。
そのため、管理費用だけでどちらを選ぶかを決めるよりも、
分配金を受け取りたいのか。
自動積立で手間をかけずに増やしたいのか。
この違いで考えた方が分かりやすいと思います。
5年前に100万円投資していたらどうなったか
では、1655とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を、5年で比較してみます。
今回の数字は、楽天証券の画面で確認した異なる商品の「取引価格」と「基準価額」を使った参考計算です。1655の分配金、税金、売買手数料、購入可能口数、基準日のずれを含まないため、両商品の運用成績を厳密に比較するものではありません。成績を比べる場合は、同じ基準日・同じ期間の分配金再投資後トータルリターンを確認してください。
今回の比較では、画像で確認した価格をもとに計算しています。

今回の1655の計算条件は、次の通りです。
5年前の価格:332円
現在の価格 :871円
162%の上昇です
この価格をもとに、5年前に100万円投資していた場合を計算しました。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の計算条件は、次の通りです。
5年前の価格:16,069円
現在の価格 :44,577円
177%の上昇です
この基準価額をもとに、5年前に100万円投資していた場合を計算しました。
100万円を投資していた場合の結果は、次のようになります。
| 商品 | 5年前 | 現在 | 100万円投資した場合 |
|---|---|---|---|
| 1655 | 332円 | 871円 | 約262万3,494円 |
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 16,069円 | 44,577円 | 約277万4,099円 |
この参考計算ではeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の金額が高くなりましたが、1655の分配金を含まない価格比較なので、運用成績の優劣は判断できません。
両商品とも同じS&P500を投資対象としますが、ETFと投資信託では価格表示や分配方針が異なります。
ここは正直に見ておきたいところです。
資産形成では、分配金の有無だけでなく、税引後のトータルリターン、積立方法、売買のしやすさを合わせて考える必要があります。
しかし、1655には年2回の分配金がある

1655はETFなので、正確には「配当金」ではなく「分配金」です。
ただし、楽天証券の明細では、画面や書類の仕様上「配当金明細書」「配当金額」と表示されることがあります。
この記事では、1655から受け取るお金を「分配金」として表記します。
ただ、1655には投資信託にはない特徴があります。
その代表が、年2回の分配金です。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、基本的に分配金を出さず、ファンド内で再投資されます。
そのため、資産は増えていても、途中で現金を受け取る感覚はあまりありません。
一方、1655はETFなので、年2回の分配金があります。
私の場合、1655を2,100口保有して、1回あたり税引前7,140円の分配金がありました。
年2回同じ水準で受け取れたと仮定すると、年間の分配金利回りは現在価格ベースで約0.78%になります。
ただし、分配金額や価格は変動するため、あくまで目安です。
大きな金額ではありません。
でも、実際に口座にお金が入ってくると、やはり少しうれしいものです。
投資信託のように自動で増えていく安心感もあります。
一方で、1655のように分配金を受け取れる楽しみもあります。
ここが、私が1655を持っていて面白いと感じる部分です。
分配金があるから必ず得、ではない
ただし、ここは注意が必要です。
分配金があるから、1655の方が必ず得というわけではありません。
分配金は、投資している資産の中から外に出てくるお金です。
投資信託の場合は、分配金として受け取れない代わりに、ファンド内で再投資されます。
そのため、効率だけを考えると、分配金を出さずに再投資される投資信託の方が有利になる場面もあります。
つまり、
分配金がある=必ず得
ではありません。
正しくは、
分配金を現金として受け取れる楽しみがある
と考えた方がよいと思います。
分配金利回り1%を仮定した受取額の目安
たとえば100万円分を保有し、年間の分配金利回りを1%と仮定すると、年間の受取額は税引前で約1万円です。ただし、実際の分配金とETF価格は変動し、分配金が支払われない場合もあります。
ブラックロック公式ページでは、2026年2月9日の分配金単価は1口4.0円、2026年7月27日時点の過去12か月分配金利回りは0.8437%と掲載されていました。これは過去の実績であり、将来の分配金を保証するものではありません。
それでも私が1655を持つ理由

それでも私が1655を持つ理由は、インカムゲイン(分配金)とキャピタルゲイン(値上がり益)の両方を意識できる満足感があるからです。
もう一つの魅力は、株価が上がれば分配金も増えるかもしれない点です。
たとえば分配金が年1%くらいだとすると、
- 株価が500円のとき:分配金は5円
- 株価が1000円になれば:分配金は10円
という感じで、分配金も同じように伸びていく可能性があります。
ここが「持っていて楽しい」と感じるところです。
インデックス投資は基本、売らずに長く持つ方針なので、分配金が入ってきたら、その使い道を考えるのが楽しいんですよね。
その分配金でまた1655を買ってもいいし、ミニ株で配当銘柄を買ってもいい。
たまには美味しい食事を楽しむのもいい。
簡単に言うと、「お小遣いが欲しい」だけかもしれません。
でも、その感覚があるからこそ、淡々と投資を続けやすい。自分にはそれが合っています。
1655が向いている人
1655が向いているのは、次のような人だと思います。
| タイプ | 理由 |
|---|---|
| 暴落でも狼狽売りしない人 | ETFはすぐ売れてしまう分、感情で手放すと負けやすい。握れる人ほど向く |
| 指値で待てる人(飛びつき買いをしない人) | 価格を決めて待てると、余計な売買が減って続けやすい |
| “買い増しの上限”を決められる人 | 指数でも資金拘束は起きる。上限がある人は長く続けやすい |
| チャートは「補助」として見られる人 | テクニカルに振り回されず、地合いの確認に使えると判断が安定する |
| 分配金を楽しみつつ、再投資もできる人 | 分配金が“投資を続ける楽しみ”になりやすい |
| NISA成長投資枠で国内ETFを持ちたい人 | 国内ETFとして保有しやすく、必要なら売買もしやすい |
| 少し上がったくらいで売らず、出口まで保有できる人 | 小さな利確で終わらせず、最終的な取り崩し(出口)まで“握る”前提なら、ETFの売りやすさがデメリットになりにくい |
インデックス投資の基本は、長期・分散・低コストです。
その大前提は守りつつ、1655はそこに「分配金が少し入ってくる」という“楽しみ”が加わるのが魅力です。
大きく儲けるためというより、投資を続けるための小さなご褒美として分配金を受け取り、必要なら再投資する。
そんな感覚で持つのが良いと思います。
1655が向かない人(タイプ/理由)
| タイプ | 理由 |
|---|---|
| 暴落時に不安で売ってしまう人 | ETFはすぐ売れてしまうので、底で損を確定しやすい |
| 少し下がるだけで気になって何度も見てしまう人 | 値動きが見える分、メンタルが削られて判断がブレやすい |
| 少し上がるとすぐ利確してしまう人 | 上昇局面の伸びを取り逃しやすく、長期リターンが弱くなりがち |
| ルールなしでナンピンしがちな人 | 指数でも資金拘束は起きる。上限がないと塩漬けが増えやすい |
| 目的がブレやすい人(長期保有か回転か決めない) | “放置”と“回転”が混ざると売買が増え、成績が不安定になりやすい |
| 「分配金=必ず得」と思い込む人 | 分配金は魅力だが、結局はトータルリターンで見ないと判断を誤る |
| NISA成長投資枠でも怖くなって売ってしまう人 | 新NISAでは翌年以降に枠は再利用できますが、焦って売ると長期保有のメリットを失いやすい |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が向いている人
一方で、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が向いているのは、次のような人です。
| タイプ | 理由 |
|---|---|
| とにかく効率よく資産を増やしたい人 | 分配金を出さずに内部で再投資されるため |
| 自動積立で放置したい人 | 毎月の積立設定がしやすい |
| 100円単位で積立したい人 | 少額投資がしやすい |
| 売買タイミングを考えたくない人 | 基準価額での売買なのでシンプル |
| 手間をかけたくない人 | 長期積立向き |
私も、資産形成の中心にするなら、投資信託はかなり使いやすいと思っています。
特に、毎月コツコツ積み立てるなら、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のような投資信託は非常に便利です。
まとめ:効率なら投信、分配金の楽しみなら1655
今回の5年比較では、1655は分配金を加えても、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)に少し届きませんでした。
そのため、資産効率だけを考えるなら、無分配型の投資信託はやはり強いです。
ただ、1655には年2回の分配金があります。
値上がり益だけでなく、分配金を受け取る楽しみもあります。
資産を増やすだけならインデックス、投資信託。
分配金を受け取りながら投資を続けたいなら1655。
私は、このように使い分けるのが自然だと感じています。
私自身も、完全にどちらか一方ではなく、投資信託を中心にしながら、1655も少し持つ形が合っていると思っています。
投資で大切なのは、誰かにとっての正解をそのまま真似することではありません。
自分が続けやすい形を見つけることです。
私にとって1655は、効率だけでは測れない「分配金を受け取る楽しみ」を感じられるETFです。
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