
「あの頃はよかったな・・・」
や、「今の自分は人生で幸せな方なのかな?」と、ふと思うことはありませんか。
友人と過ごした時間、何かに夢中になっていた日々。振り返ると、今より幸せだったと感じる時期があるかもしれません。反対に、「あの頃はつらかった」と思い出す時期もあると思います。
では、その違いは何だったのでしょうか。幸せだった頃には何があり、つらかった頃には何が足りなかったのでしょう。
普段はあまり考えないことですが、一度整理してみると、自分が何を大切にしているのか、これからどんな時間を過ごしたいのかが見えてくるかもしれません。
今回は、年齢別の幸福度の調査を少し紹介したあと、自分の人生を一本の線で振り返る「ライフチャート」を描いてみます。
難しい分析は必要ありません。私が実際に描いた見本と、書き込める空欄シートも用意しました。皆さんも、自分にとっての幸せを振り返ってみませんか。
日本の幸福度は、年齢によってどう違う?

幸福度というと大げさですが、ここでは「自分はどれくらい幸せだと感じているか」と考えてみてください。
調査によって尋ね方は違います。内閣府の「満足度・生活の質に関する調査2026」では、生活への満足度を0〜10点で尋ねています。

年齢層別の平均は、15〜39歳が5.88点、40〜64歳が5.53点、65〜89歳が6.54点。中年層で低く、高齢層で高い傾向が見られます。
ただし、これは同じ人の一生を追った線ではありません。2026年の調査で、異なる年齢層を比べたものです。「この年齢なら幸せなはず」と、自分を当てはめる必要はありません。
出典:内閣府「満足度・生活の質に関する調査報告書2026」。2026年2月27日〜3月14日、日本国内の15〜89歳10,632人を対象としたインターネット調査。
独身と既婚者では、幸福度に違いがある?

年齢だけでなく、結婚しているかどうかを比べた研究もあります。
英国の調査を使ったGrover・Helliwellの研究では、既婚者と未婚者の両方に、中年期で人生満足度が下がるU字型の傾向が見られ、既婚者のほうがその落ち込みが浅いと報告されています。
これは日本人と比較してもほぼ一致します。
多くの人は幸福度が50歳で底打ちをすることが多い

独身より既婚者が幸福度が高いのは、子供の存在やパートナーの存在による孤独を感じにくいことなのでしょうか?
私は独身なので、この結果が面白いと思うのは、年齢を重ねることによって、独身者と既婚者の差がだんだんと縮まっていくのが印象的でした。
原研究:Grover & Helliwell(2014), How’s Life at Home?(NBER Working Paper No. 20794)。
私のライフチャートを描いてみた

ライフチャートは、横軸を年齢、縦軸を自分の幸福感にして、人生の出来事を線でつないだものです。今回は著者の20歳から52歳までを振り返りました。
私がライフチャートを作成する目的は

「自分が幸せな時には、どのような行動をしていたのか?」
を知るためです。
周りにどのような人がいたか?その時の仕事は?行動は?それを思い出せば、これから大いに幸せに近づけるかもしれないと思ったからです。

20歳の頃は、友人が少なく、何となく不安がありました。一方、24歳頃は定職に就き、憧れの女性と交際でき、友人も多い時期。今振り返ると、幸福度は8点です。
交際が終わって落ち込んだ時期もありましたが、その後はマンションを購入し、人間関係も良好でした。
30歳で転職すると、社会の厳しさを感じました。34歳頃には、過去の固定資産税や住民税の未払いで給与の差押えを受けました。私にとって、最もつらかった時期です。
その後、税金の支払いに目処が立ち、仲間と事業を始めました。42歳で完全に独立した頃は、休みがなく心身ともにきつかったものの、少しずつ事業が安定。収入と時間も安定期に入りました。
ところが、49歳で母が亡くなり、その後一年ごとに愛犬、愛猫も亡くなりました。そして52歳でリタイア。自由はあるのに、今は孤独感が強い。現在の幸福度を、私は2点としました。
同じ2点でも、34歳の頃と今では、抱えているものが違います。数字だけでは見えないことが、出来事を書き添えると見えてきます。
ライフチャートから、自分にとって大切なものを考える

私のチャートを眺めると、幸福度が高かった時期には、仕事や収入の安定に加えて、恋人や友人、仲間との関わりがありました。
もちろん、お金の心配が減ったことも大きかったと思います。でも、自由な時間ができた今、それだけでは埋まらない気持ちもあります。
今の私には、人とのつながりや、誰かと楽しみを共有する時間が必要なのかもしれません。ただ、大切な存在を失った悲しみを、何か一つの行動ですぐに解決できるとも思いません。
「何が足りないのか」を急いで決めるより、まずは「自分は何を大切にしていたのか」を思い出す。このチャートは、そのための手がかりになりそうです。
あなたもライフチャートを描いてみませんか

下の空欄シートは、20歳から60歳まで使えます。現在までを書けば十分です。まだ迎えていない年齢は、空欄のままで構いません。

① 出来事を選ぶ
印象に残る時期や出来事を、現在を含めて7〜8個ほど選びます。
② 幸福度の点を打つ
その頃の幸福度を0〜10点で考え、年齢に合わせて点を打ちます。
③ 出来事を添えて、線でつなぐ
「就職」「友人と過ごす」「仕事で悩む」など、短い言葉で書けば十分です。
点数に正解はありません。大きな成功や失敗だけでなく、「友人とよく遊んでいた」「穏やかな毎日だった」という時期も入れてみてください。
描けたら、次の三つを考えてみます。
・幸福度が高かった頃には、何があっただろう?
・今と比べて、何が変わっただろう?
・これからの暮らしに、少し取り入れたいものは何だろう?
今に足りないものだけでなく、今もある幸せや、昔とは変わった価値観に気づくこともあると思います。
作り方の参考:KIPカウンセリング「ライフラインチャートを使った自己分析のやり方とは?」
幸福度を上げる答えは、自分の過去にあるかもしれない
ライフチャートを描いたからといって、すぐに幸せになれるわけではありません。それでも、自分が心地よく過ごしていた時期を振り返ると、これから大切にしたいことを考えやすくなります。
例えば、誰かと過ごす時間が恋しいなら、久しぶりの友人に連絡してみる。夢中になれる時間が欲しいなら、以前好きだったことを少し再開してみる。大きく人生を変えなくても、試せることはありそうです。
私も、自由な時間をどう過ごすか、誰とどんな時間を持ちたいかを考えてみたいと思います。
あなたが幸せだった頃には、何がありましたか。一本の線を描く時間が、今の自分を知るきっかけになればうれしいです。


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