💬 結婚前

「食事のあと、さりげなくハンカチで口元を拭く姿が素敵。清潔感があって、身だしなみに気を配れる人なんだ。」
💬 結婚後

「いちいち口元ばかり気にして。細かすぎて、見ているこっちが疲れる!」
この例は、ある芸人さんが夫婦の変化を笑いにした話をヒントに、私なりに表現を整えています。
やっていることは、結婚前も結婚後も同じです。
変わったのは相手ではなく、その行動を見る私たちの見方なのかもしれません。
この記事は、離婚を勧める記事でも、結婚を勧める記事でもありません。
私が伝えたいのは、
人生の大きな決断は、感情だけでも、お金だけでも決めない方がいい。
ということです。
私はこれまで、お金について多くの記事を書いてきました。
投資、節約、老後資金、資産形成。
数字だけを見れば、答えは比較的シンプルです。
夫婦で生活をした方が、一人暮らしより経済的に有利になるケースは多くあります。
収入は二人分になり、家賃や光熱費などの固定費も分け合えるからです。
それでも、人は離婚を選びます。
生活が苦しくなるかもしれない。
老後資金が減るかもしれない。
そんなことは分かっていても、それ以上に「今、この人と一緒に暮らす苦しさ」の方が大きいと感じることがあります。
実は私自身も、お金だけを考えれば離婚は不利だと分かっていながら、それでも「一緒に暮らす苦しさ」の方が勝ってしまった時期がありました。
だから私は、離婚を否定したいわけではありません。
むしろ、人はお金だけでは生きていないことを知っています。
しかし同時に、大きな決断だからこそ、感情だけで決めてしまう危うさも知っています。
そんなことを考えていた時に、とても興味深いことに気付きました。
結婚した理由が、そのまま離婚の原因になることがある。
「頼りがいがある。」
「優しい。」
「お金に堅実。」
結婚した頃は長所だったものが、年月が経つと欠点に見えてしまうことがあります。
相手が変わったのでしょうか。
それとも、自分の見方が変わったのでしょうか。
まずは、次の比較表をご覧ください。
長所と短所は、紙一重なのかもしれません。

それでも夫婦2馬力は経済的に有利
一人より二人で暮らす方が、お金は貯まりやすい
比較表を見ると、

「結婚した理由が、離婚の原因になる。」
そんな不思議な心理が少し見えてきたのではないでしょうか。
しかし、お金という視点だけで考えると話は変わります。
夫婦で生活する大きなメリットは、一人では負担の大きい生活費を、二人で分け合えることです。
共働きなら収入源は二つになり、さらに家賃や光熱費などの固定費も共有できます。
例えば、
- 家賃
- 光熱費
- インターネット代
- 家具・家電
- 自動車の維持費
二人が別々に生活するより、一緒に暮らした方が、家賃や光熱費などを分け合えるぶん、一人当たりの負担は軽くなります。
食費も、一人分より二人分の方が単純に2倍になるわけではありません。
二人で生活することで、生活費全体を効率よく使える場面は少なくありません。
だからこそ、同じ収入であっても、一人暮らしより夫婦世帯の方が資産を築きやすいと言われています。
もちろん、収入や住んでいる地域、家族構成によって事情は変わります。
それでも、「二人で助け合って暮らす」ということは、お金の面では非常に大きなメリットになります。
50代の金融資産にも、その差は表れている
実際に、J-FLEC(金融経済教育推進機構)が公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」でも、その傾向が見られます。

50代の金融資産を見ると、
このように、平均・中央値ともに二人以上世帯の方が高い結果となっています。

もちろん、この数字だけで「結婚したから資産が増えた」と断定することはできません。
二人以上世帯には共働きだけでなく、専業主婦(夫)の家庭やさまざまな世帯が含まれています。
また、収入や職業、相続など、多くの要因が影響します。
それでも、
二人で生活することには、お金を貯めやすい環境を作れるという大きなメリットがあることは、この調査からもうかがえます。
ここまで見ると、

「それなら離婚しない方が得では?」
そう思う人もいるかもしれません。
しかし、現実はそれほど単純ではありません。
人は、お金だけで人生を決めているわけではないからです。
経済的に不利になることが分かっていても、それ以上に一緒に暮らすことが苦しくなり、離婚を選ぶ人もいます。
では実際に、離婚はどの年代に多いのでしょうか。
次は、そのデータを見ていきます。
離婚率が高い年代は、お金がかかる時期でもある
ここまで見てきたように、お金だけを考えれば、夫婦で生活する方が経済的には有利です。
それでも、多くの人は離婚という選択をします。
では、実際にはどの年代で離婚が多いのでしょうか。

厚生労働省の人口動態統計を見ると、離婚率は30代前半から40代前半で高くなっています。
ちょうどこの年代は、
- 子どもが生まれる
- 教育費が増え始める
- 住宅ローンを抱える
- 仕事の責任が重くなる
など、家計の負担が大きくなりやすい時期と重なります。
もちろん、この統計だけで

「お金が原因で離婚した」
とは言えません。
離婚には、価値観の違い、性格の不一致、不貞、DVなど、さまざまな理由があります。
しかし、お金に余裕がなくなると、心の余裕まで失ってしまうことがあります。
本当は仕事のストレスなのに、相手に強く当たってしまう。
本当は生活費が苦しいだけなのに、相手の欠点ばかりが目に付いてしまう。
そんなことは、決して珍しいことではありません。
お金の余裕は、心の余裕にもつながる
私は、お金ですべての問題が解決するとは思っていません。
どれだけ資産があっても、一緒にいること自体が苦しければ、離婚という選択をした方が人生が豊かになる場合もあります。
一方で、お金に余裕がないことで、夫婦げんかが増えてしまう家庭も少なくありません。
例えば、
子どもの教育費。
住宅ローン。
車の維持費。
物価の上昇。
将来への不安。
一つ一つは小さな問題でも、それが積み重なると、心の余裕まで少しずつ奪われていきます。
すると、結婚した頃には「頼りになる」と思っていた人が、「支配的」に見えてしまう。
「お金に堅実」と思っていた人が、「ケチ」に見えてしまう。
相手が変わったわけではありません。
自分の心に余裕がなくなることで、同じ言葉や行動の受け取り方が変わってしまうこともあるのです。
だから私は、
夫婦関係を考える時には、
「お金」と「心」は切り離せないものだと思っています。
それでも離婚した方が幸せになれる人もいます。
私自身、離婚すれば経済的に不利になることは分かっていました。
それだけではありません。
一人で暮らしていけるのか。
病気になったときや、年齢を重ねたとき、頼れる人がいなくなるのではないか。
そんな精神的な不安もありました。
それでも、その不安より、一緒に暮らし続ける苦しさの方が大きいと感じた時期があります。
だから私は、離婚を否定したいわけではありません。
経済的に不利になることも、一人になる不安も分かったうえで、それでも離婚を選ぶことがあります。
だからこそ、大切なのは「離婚するか、しないか」という答えだけではありません。
その決断を、何を基準に考えるかということです。
最後に、私がこのテーマについて考えた結論をお伝えします。
感情だけでも、お金だけでも決めない
ここまで読んで、

「確かにそうかもしれない。」
そう感じた人もいるかもしれません。
一方で、

「いや、それでも離婚して本当に良かった。」
そう思う人もいるでしょう。
私は、そのどちらも間違いではないと思っています。
実際、私自身も、お金だけを考えれば離婚は不利だと分かっていながら、それでも「一緒に暮らす苦しさ」の方が大きいと感じた時期がありました。
好きは片思い。嫌いは両思いになりやすい。
経済的に苦しくなっても構わないから離れたい。
それくらい、一緒に生活することが苦痛だったのです。
だから私は、離婚を否定したいわけではありません。
離婚によって、人生を取り戻した人もいます。
毎日笑顔で暮らせるようになった人もいます。
精神的な苦しみから解放され、新しい人生を歩き始めた人もいます。
それは、その人にとって正しい選択だったのだと思います。
しかし、その一方で、
感情に任せて離婚を決め、後から経済的な苦労に直面する人がいることも事実です。
家賃は一人で払う。
光熱費も一人分。
老後資金も一人で準備する。
二人で支え合っていた生活が、一人の肩にのしかかります。
だから私は、離婚を考えること自体が悪いとは思いません。
ただ、一つだけ忘れてほしくないことがあります。
大切なのは、感情だけで決めないこと。
そして、
お金だけでも決めないこと。
人生には、お金では解決できない苦しさがあります。
でも、お金がないことで苦しくなる現実もあります。
だからこそ、
人生を大きく変える決断をするときは、
「今の気持ち」と、
「これからの生活」。
その両方を、一度冷静に見つめ直してほしいと思います。
結婚を続けることが幸せな人もいます。
離婚することで幸せになれる人もいます。
正解は、人それぞれ違います。
だからこそ、
自分にとって本当に大切なものは何なのか。
感情だけでもなく、
お金だけでもなく、
両方を見たうえで、自分自身が納得できる答えを出してほしいと思います。
この記事を書きながら、私自身も改めて考えさせられました。
あなたが今、欠点だと思っていることは、昔、自分が好きになった長所ではありませんでしたか。
おすすめ記事


二度と会いたくないと思うほど、理不尽な上司や取引先に苦しんだ時期がありました。
それでも振り返ると、立場を利用して無理難題を押しつけてきた人たちとの経験が、今の自分を強くしたのかもしれません。
嫌な経験は、本当に無駄だったのか。そんなことを振り返った記事です。


コメント