退職直後は、少し開放感がありました。
私の場合、嫌だった会社を辞めた後だったので、これからの不安よりも、最初のハローワークに行くまでの時間がどこか自由に感じられたのを覚えています。
しかし、その開放感は長くは続きませんでした。
1か月、2か月と時間が過ぎ、貯金が少しずつ減っていくと、気持ちはだんだん不安に変わっていきます。
家賃、食費、光熱費、通信費。
どれも生活に必要なお金です。
そして、退職後に意外と重く感じるのが、税金や保険料の支払いです。
特に住民税や国民健康保険料は、前年の所得をもとに計算されるため、退職して今の収入が減っていても、請求が来ることがあります。

「今は収入が少ないのに、なぜこんなに請求が来るのか」
そう感じる人もいると思います。
でも、支払いが厳しいからといって、何もできないわけではありません。
税金や保険料は、黙っていても安くなりません。
しかし、退職・失業・収入減少などの事情がある場合、減額・免除・猶予・分割払いを相談できることがあります。
大切なのは、払えないまま放置しないことです。
この記事では、退職後に相談できる税金や保険料の減免・免除・猶予について、できるだけわかりやすく整理します。
昔の私は、このような制度があることをよく知りませんでした。
そのため、本来なら相談できたかもしれない支払いも、一人で抱え込んでしまい、お金の面でかなり苦労しました。
皆さんには、同じような思いをしてほしくありません。
今すぐ必要ないと思っても、軽く目を通しておくだけで、いざという時に「相談してみよう」と思えるかもしれません。
退職後に減額・免除・猶予を相談できる主な支払い

まずは、退職後に相談できる可能性がある支払いを表で確認してみます。
| 支払い | 相談できる内容 | 主な相談先 |
|---|---|---|
| 国民健康保険料 | 軽減・減免の可能性 | 市区町村役場の保険課 |
| 国民年金保険料 | 免除・納付猶予 | 市区町村役場の年金窓口・年金事務所 |
| 住民税 | 減免・納税猶予・分割払い | 市区町村役場の税務課 |
| 固定資産税 | 減免・猶予を相談できる場合あり | 市区町村役場の税務課 |
| 所得税 | 確定申告で還付される場合あり | 税務署 |
国民年金保険料だけでも、年間約20万円以上の負担になります。
さらに国民健康保険料や住民税も含めると、申請や相談によって、数万円〜数十万円単位で負担が変わる可能性があります。
退職後のお金が少ない時期に、この差はかなり大きいです。
もちろん、退職後にすべての支払いが必ず安くなるわけではありません。
それでも、収入が減った、失業した、病気で働けない、一括で支払えないなどの事情がある場合は、減免・免除・猶予・分割払いを相談できる可能性があります。
最初から「自分は無理だろう」と決めつけず、まずは窓口で確認してみてください。
どんなときに申請・相談できるのか

税金や保険料は、収入が減ったからといって自動的に安くなるわけではありません。
ただし、退職・失業・病気・災害・収入急減などで支払いが難しくなった場合は、減額・免除・猶予・分割払いを相談できることがあります。
| 状況 | 相談できる可能性があるもの | 簡単な説明 |
|---|---|---|
| 会社都合退職・倒産・雇い止め | 国民健康保険料 | 非自発的失業者として、保険料の軽減対象になる場合があります |
| 退職・失業で収入がなくなった | 国民年金保険料、住民税 | 年金は免除・猶予、住民税は減免・猶予を相談できる場合があります |
| 収入が大きく減った | 国民健康保険料、住民税 | 前年より収入が大きく下がった場合、自治体に相談できることがあります |
| 病気やケガで働けない | 国民年金保険料、住民税、固定資産税 | 所得がなくなったり、生活が苦しい場合は相談対象になることがあります |
| 災害で家や財産に被害を受けた | 住民税、固定資産税 | り災証明書などをもとに減免を相談できる場合があります |
| 税金を一括で払えない | 住民税、固定資産税など | 減免が難しくても、分割払いや納税猶予を相談できる場合があります |
| 退職した年の所得税を払いすぎた | 所得税 | 確定申告で還付される可能性があります |
特に退職後に注意したいのは、住民税と国民健康保険料です。
これらは前年の所得をもとに計算されるため、今の収入が少なくても、退職前の収入をもとに請求が来ることがあります。
退職後にきついのは、「今の収入」ではなく「去年の収入」で請求が来ることです。
だからこそ、退職後に税金や保険料の支払いが厳しいと感じたら、放置せずに早めに相談することが大切です。
国民健康保険料は軽減・減免を相談できる場合がある

退職後、会社の健康保険から国民健康保険に切り替える人も多いと思います。
国民健康保険料や国民年金の支払いが不安な場合は、別記事でも手続きの流れをまとめています。⬇️
退職後に国民健康保険料・国民年金が払えないときの手続き|軽減・免除・猶予を確認しよう
このとき、国民健康保険料が思ったより高く感じることがあります。
理由の一つは、国民健康保険料が前年の所得をもとに計算されるからです。
退職して今の収入が減っていても、前年に収入があれば、それをもとに保険料が決まることがあります。
これは、失業した人だけの話ではありません。
FIREやアーリーリタイアをした人でも、退職後に届く住民税や国民健康保険料の金額を見て驚く人は少なくありません。
たとえば、横浜市在住の単身者で、前年の給与収入が日本の平均に近い478万円前後だった場合、退職後に次のような負担が発生する可能性があります。
| 支払い | 年間の目安 |
|---|---|
| 住民税 | 約20万〜25万円前後 |
| 国民健康保険料 | 約40万〜50万円前後 |
| 国民年金保険料 | 約21万円前後 |
| 合計 | 約80万〜95万円前後 |

もちろん、実際の金額は年齢、世帯人数、控除、退職理由、自治体によって変わります。
ただ、失業保険をもらっている人でも、FIREして労働収入がなくなった人でも、前年に収入があれば、このような請求が来ることがあります。
退職後にお金が減っていく時期に、年間80万円以上の税金や保険料が重なると、かなり大きな負担です。
ただし、倒産・解雇・雇い止めなどで離職した人は、非自発的失業者として国民健康保険料が軽減される場合があります。
この制度では、対象になると国民健康保険料の計算上、前年の給与所得を低く見て計算してもらえることがあります。
⚠️自己都合退職の場合は、非自発的失業者の軽減に当てはまらないこともあります。
それでも、自治体によっては収入減少や生活困窮を理由に、独自の減免制度を設けている場合があります。
まずは、市区町村役場の保険課に確認してみてください。
相談するときは、

「退職して収入が減り、国民健康保険料の支払いが厳しいです。軽減や減免の対象になるか確認したいです」
と伝えれば大丈夫です。
国民年金保険料は免除・納付猶予を申請できる
退職後は、会社員時代の厚生年金から国民年金へ切り替わる人もいます。
このとき、国民年金保険料を自分で支払う必要があります。
ただ、退職直後で収入が少ない場合、毎月の国民年金保険料がかなり重く感じることがあります。
そのようなときは、未納にするのではなく、国民年金保険料の免除・納付猶予を申請することが大切です。
国民年金には、次のような制度があります。
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 全額免除 | 保険料の全額が免除される |
| 一部免除 | 4分の3免除、半額免除、4分の1免除など |
| 納付猶予 | 保険料の支払いを後回しにできる |
| 学生納付特例 | 学生が対象になる納付猶予制度 |
退職や失業の場合、失業等の事実が確認できると、前年所得にかかわらず免除や納付猶予を受けられる特例があります。
ようは、去年収入があっても、失業中なら年金の免除や猶予を相談できる場合があるよ、です。
その場合、離職票や雇用保険受給資格者証などが必要になることがあります。
国民年金で大切なのは、未納にしないことです。
免除や猶予を申請すれば、受給資格期間に反映される場合があります。
将来の年金額に影響することはありますが、まずは年金窓口や年金事務所に相談してみてください。
住民税は前年所得で請求されるので注意

退職後に一番驚く人が多いのが、住民税です。
これを見た時は思わず

は?
と言ってしまう内容の通知書。
住民税は、前年の所得をもとに計算されます。
そのため、退職して今の収入が少なくなっても、前年に働いていた分の所得をもとに住民税の請求が来ることがあります。
これが退職後にかなり重く感じる原因です。
住民税は、収入が減ったからといって自動的に安くなるわけではありません。
ただし、失業や所得の急減などの事情がある場合、自治体によっては減免や納税猶予、分割払いを相談できる場合があります。
横浜市でも、1か月以上失業などで所得がない場合や、失業などによって前年所得に比べて一定割合以上所得が減少した場合などが、減免申請の理由として案内されています。
住民税で一番避けたいのは、払えないからといって放置することです。
私は過去に、住民税や所得税、固定資産税などを滞納し、最終的に勤め先の給料を差し押さえられたことがあります。

今思えば、支払えないなら支払えない理由を早めに伝えれば、分割払いや猶予など、相談できる余地はありました。
でも当時の私は、通知書を見るのも嫌で、そのまま放置してしまいました。
その結果、会社にも知られることになり、自分の信用を大きく落としました。
税金の滞納は、ただ「払っていない」で済む話ではありません。
放置すれば、督促、延滞金、差し押さえにつながることがあります。
だからこそ、払えないと感じた時点で、早めに役所へ相談してほしいです。
「払えません」と伝えるのは「めんどくさいし」恥ずかしいかもしれません。
でも、何も言わずに無視するより、正直に相談した方が、まだ道は残ります。
税金は、払えないまま放置すると延滞金がかかる場合があります。
国税では、納期限から2か月を過ぎた後は、原則として年14.6%の割合で延滞税がかかるとされています。

元の税金に延滞金が上乗せされるため、放置するほど雪だるま式に負担が重くなります。
払えないと感じたら、早めに役所へ相談することが大切です。
固定資産税は簡単に減免されるものではない

持ち家がある人は、退職後も固定資産税の支払いがあります。
持ち家は「自分の家」のはずなのに、固定資産税は毎年届きます。
買ったあとも、国に使用料を払っているようなものですね。
少し皮肉っぽくなりましたが、ここからは現実的な話に戻します。
固定資産税は、収入が減っただけで簡単に減免されるものではありません。
ただし、災害や生活困窮など特別な事情がある場合は、減免や猶予を相談できることがあります。
減免が難しくても、分割払いを相談できる場合もあります。
払えないと感じたら、放置せず税務課に相談してみてください。
所得税は年末調整や確定申告で戻る場合がある
退職した年は、所得税が戻ってくる場合があります。
ただし、必ず自分で確定申告が必要になるわけではありません。
年の途中で退職して、その年のうちに再就職した場合は、前の会社の源泉徴収票を再就職先に提出すれば、再就職先で年末調整をしてもらえることがあります。
一方で、退職したまま年末まで再就職しなかった場合や、前職の源泉徴収票を提出できなかった場合は、自分で確定申告をすることで、払いすぎた所得税が戻る可能性があります。
退職した年は、給与所得の源泉徴収票を必ず保管しておきましょう。

確定申告と聞くと、「面倒くさそう」と感じる人も多いと思います。
正直、面倒だし面倒だけど面倒だと思います。
ただ、退職した年に年末調整が済んでいない場合や、医療費控除・社会保険料控除などがある場合は、確定申告をすることで所得税が戻る可能性があります。
いくら戻るかは人によって違うため、ここで金額を断定することはできません。
それでも、少し調べて、半日から1日使って手続きすることでお金が戻る可能性があるなら、「副業のつもりで確定申告をしてみる」と考えても良いと思います。
今は、国税庁の確定申告書等作成コーナーや、解説している動画・記事も多くあります。
「面倒だからやらない」で終わらせるより、戻ってくるお金があるかどうかだけでも確認してみる価値はあります。
相談前に準備しておきたいもの
役所や年金窓口に相談するときは、何も持たずに行くより、少しでも資料を用意しておくと話が進みやすいです。

画像では相談前に用意したいものをイメージでまとめています。
スマホで文字が見えにくい場合は、下の表で確認してください。
| 用意したいもの | 使う場面 |
|---|---|
| 離職票・退職証明書 | 退職や失業の証明 |
| 雇用保険受給資格者証 | 失業給付の状況確認 |
| 納税通知書 | 住民税・固定資産税の相談 |
| 国民健康保険料の通知書 | 保険料の相談 |
| 年金手帳・基礎年金番号通知書 | 国民年金の相談 |
| 収入がわかるもの | 給与明細、年金通知、売上資料など |
| 通帳・家計メモ | 支払いが厳しい状況を説明する材料 |
| 医師の診断書など | 病気やケガで働けない場合 |
すべて完璧に揃えてからでないと相談できないわけではありません。
ただ、退職日、現在の収入、貯金、毎月の支出、支払いが厳しい理由を整理しておくと、窓口で伝えやすくなります。
自分の生活のことなので、一番必死になれるのは自分自身です。

「今の収入では、この税金や保険料を払うと生活費が足りません」
「退職して収入がなくなり、国民健康保険料と住民税の支払いが厳しいです」
「分割払い、猶予、減免など、使える制度があるか確認したいです」
このように、数字をもとに正直に伝えることが大切です。
相談するときの伝え方

実際に窓口や電話で相談するときは、難しい言葉を使う必要はありません。
次のように伝えれば大丈夫です。
「退職して収入が減り、税金や保険料の支払いが厳しくなっています。減免、猶予、分割払いなど、使える制度があるか確認したいです」
「国民健康保険料の通知が届きましたが、今の収入では支払いが厳しいです。軽減や減免の対象になるか確認したいです」
「国民年金保険料を払うのが難しいため、免除や納付猶予を申請したいです」
「住民税の納付書が届きましたが、退職して収入がありません。分割払いや猶予を相談したいです」
最初の一言さえ伝えられれば、あとは職員の方が必要なことを確認しながら話を進めてくれます。
大切なのは、早めに相談することです。
納付期限を過ぎてから慌てるより、納付書が届いた段階で相談した方が、選べる方法が多い場合があります。
放置すると、あとで本当にきつくなる

税金や保険料の通知が届いても、お金がないと見るのも嫌になります。
私も過去に、住民税・所得税・固定資産税などを滞納したことがあります。
ポストを見るのが本当に嫌でした。
当時は通知書を見るのも嫌で、そのまま放置してしまいました。
その結果、最終的には勤め先の給料を差し押さえられました。
これは本当にきつかったです。
先にも書きましたが、お金の問題だけでなく、会社にも知られることになり、自分の信用を大きく落としました。
カードも作れません。
なぜか闇金のチラシがやたらとポストに入ってきました。

税金や保険料は、黙っていても安くなりません。
でも、早めに相談すれば、まだ道が残っていることがあります。
退職後に支払いが厳しいと感じたら、通知書を放置せず、まずは役所や年金窓口に相談してみてください。
しつこいようですが、最初の相談さえできればなんとかなります。
まとめ
退職後は、収入が減っても税金や保険料の請求がすぐに止まるわけではありません。
特に住民税や国民健康保険料は、前年所得をもとに計算されるため、退職直後ほど負担を重く感じやすいです。
ただし、支払いが厳しい場合でも、何もできないわけではありません。
国民健康保険料は、非自発的失業者の軽減や自治体の減免制度を相談できる場合があります。
国民年金保険料は、免除や納付猶予を申請できます。
住民税は、減免、納税猶予、分割払いを相談できる場合があります。
固定資産税は簡単に減免されるものではありませんが、事情によっては猶予や分割払いを相談できる場合があります。
所得税は、確定申告で還付される可能性があります。
退職後に大切なのは、支払いが厳しいと感じた時点で、早めに相談することです。
税金や保険料は、知らないまま我慢しても安くなりません。
でも、相談すれば道が見つかることがあります。
払えないと思ったら、放置せず、まずは役所や年金窓口に確認してみてください。
知識は、生活を守る力になります。
そして、行動すれば、負担を軽くできる可能性があります。
おすすめ記事


退職前には知っておきたい8つの制度。
退職前に、知っておきたい制度はいくつかあります。
とはいえ、すべてを完璧に覚える必要はありません。
大切なのは、なんとなく頭の片隅に置いておくことです。
退職後に困ったとき、
「そういえば、こんな制度があったかもしれない」
と思い出せるだけでも、行動のきっかけになります。
制度は、知っている人だけが使える「生活を守る道具」です。
この記事が、その道具を思い出すきっかけになれば嬉しいです。



コメント