老後のお金が不安なのは、
本当にお金が足りないからとは限りません。
不安が大きくなる理由のひとつは、
自分にあといくら必要なのかが見えていないこと
にあると思います。
年金でどこまで暮らせるのか。
あといくらあれば足りるのか。
そこを具体的に考えている人は、実はそれほど多くありません。
そのため、老後資金はいつまでも
「なんとなく不安なもの」
のままになりやすいです。
本当に大事なのは、
「老後にいくら必要か」ではなく、「年金にあといくら足りないのか」を知ること
です。
老後のお金は、総額だけを見ると大きすぎて現実感がなくなります。
ですが、毎月の不足額に直すと、一気に見えやすくなります

たとえば、年金で月12万円入る人が、老後の生活で月17万円使うなら、毎月5万円不足します。
この不足が20年続くなら約1200万円、25年続くなら約1500万円です。
こうして考えると、老後資金は「みんな一律で2000万円必要」という話ではなく、
自分の年金額と生活費の差から決まるもの
だとわかります。
老後2000万円問題が、そのまま自分に当てはまるとは限らない

以前、「老後は2000万円必要」と大きく話題になりました。
この言葉だけが一人歩きすると、多くの人は
「とにかく2000万円貯めなければいけない」
と考えてしまいます。
ですが実際には、老後に必要なお金は人それぞれです。
たとえば、
これらで必要額はかなり変わります。
つまり、
老後資金は“世間の平均”で決めるものではなく、“自分の不足額”で考えるもの
です。
まず考えるべきは「年金+あと毎月いくら必要か」

老後のお金を考えるとき、最初にやるべきことはシンプルです。
年金で足りない分が、毎月いくらかを出すこと。
ここが出ていないと、必要な老後資金の総額も見えてきません。
たとえば、
- 年金が月12万円で、老後の生活費が月17万円必要
なら、毎月5万円不足です。
この「毎月5万円不足」を土台にすると、
というふうに、おおよその必要額が見えてきます。
老後の不安は、金額が見えていないほど大きくなります。
でも、毎月の不足額がわかれば、必要な総額も、今からやるべき準備も見えやすくなります。
平均余命を目安にすると、必要額はざっくり計算できる
65歳から先、あと何年くらい生きる想定で老後資金を考えるかを下の令和6年簡易生命表の概況のデータを元に見ていきます。
厚生労働省の「主な年齢の平均余命」は、その年齢まで生きた人が、あと何年くらい生きる見込みかを示した数字です。たとえば60歳の男性なら、平均で83歳5か月くらいまで生きる見込みになります。
| 現在の年齢 | 男性の平均余命 | 男性は平均何歳くらいまで生きる見込みか | 女性の平均余命 | 女性は平均何歳くらいまで生きる見込みか |
|---|---|---|---|---|
| 40歳 | 42.03年 | 82.03歳 | 47.88年 | 87.88歳 |
| 45歳 | 37.26年 | 82.26歳 | 43.03年 | 88.03歳 |
| 50歳 | 32.57年 | 82.57歳 | 38.24年 | 88.24歳 |
| 55歳 | 28.01年 | 83.01歳 | 33.54年 | 88.54歳 |
| 60歳 | 23.63年 | 83.63歳 | 28.92年 | 88.92歳 |
| 65歳 | 19.47年 | 84.47歳 | 24.38年 | 89.38歳 |
| 70歳 | 15.60年 | 85.60歳 | 19.97年 | 89.97歳 |
| 75歳 | 12.08年 | 87.08歳 | 15.75年 | 90.75歳 |
| 80歳 | 8.96年 | 88.96歳 | 11.83年 | 91.83歳 |
| 85歳 | 6.31年 | 91.31歳 | 8.37年 | 93.37歳 |
| 90歳 | 4.27年 | 94.27歳 | 5.55年 | 95.55歳 |
小数点がついていて少し見にくいですが、82.57歳なら82歳半くらいまで、大まかに見て下さい。
たとえば、65歳時点の平均余命をもとにすると、
- 👴 男性はあと約19.47年余命=84歳ごろまで
- 👵 女性はあと約24.38年余命=89歳ごろまで
をひとつの目安にできます。
もちろん、これは平均なので、これより長く生きる人も短い人もいます。
ですが、老後資金の計画を立てるうえでは、こうした平均余命を目安にするだけでも十分役立ちます。
たとえば女性で、65歳から先に毎月5万円不足すると考えるなら、
5万円 × 12か月 × 約25年 = 約1500万円
です。
こうしてみると、老後資金の考え方はかなりシンプルです。
年金だけで足りない分を、何年分用意するか。
まずはここを知ることが大切です。
私の両親は2000万円を目標にしていた。でも、実際はそこまで必要なかったかもしれない

私の両親は、老後の不安から2000万円を目標にして貯蓄していました。
ですが、両親の生活状況や資産、年金額、そして平均余命などをあらためて整理してみると、そこまで大きな金額が必要な家庭ではなかったように思います。
たとえば、
- 外出用の服を買わなった
- 家のローンが定年時期で終わった
- 交際する人が少なくなる
- 食事も質素になり、お酒の量も減ってきている
- 仕事関連の服や小物を買う必要がなくなる
- 家族の行事ごとに資金を使わなくなる(子供が工面するようになる)
- 財布の紐が異様に固くなった
という状況でした。
そう考えると、両親は「老後2000万円」という世間の数字に引っ張られすぎて、
本当はそこまで働かなくてもよかった可能性があります。
実際、老後資金の不安から、70歳手前まで仕事を続けていました。
今思えば、年金額、生活費、持ち家かどうか、そして平均余命をもとに、
その家庭に必要な老後資金をもっと早く計算できていれば、もう少し楽な人生にできたかもしれない
と感じます。
これは、ただの金額の話ではありません。
数字が見えていない不安は、人を必要以上に働かせてしまうことがある。
そして、「自分たちにはこれだけあれば大丈夫」と見えていないと、老後に入ってからもお金の不安を引きずり続けてしまいます。
私はそこに、とても大きな問題があると思っています。
老後の不足分は、NISAで準備するという考え方もある
では、年金だけでは足りない分を、どうやって用意すればいいのでしょうか。
方法はいくつかありますが、初心者にも比較的わかりやすいのは、
NISAを使ったインデックス投資
です。
iDeCoも老後資金づくりには有力ですが、出口戦略や受け取り方の説明が少し複雑になります。
その点、NISAは運用益が非課税で、制度としても比較的シンプルです。
そのため、これから老後資金を考える人には、まずNISAでの長期積立を考える方がわかりやすいと思います。
特に、オルカンのような低コストの全世界株インデックスファンドは、
「世界全体に広く分散して長く持つ」という意味で、初心者にも説明しやすい商品です。
もちろん、元本保証はありません。
毎年きれいに増えるわけでもありません。
ですが、長期で積み立てる前提なら、老後資金づくりの土台として考えやすい手段のひとつです。
「不足分として2000万円必要」なら、逆算して積立額を考えればいい
たとえば、
老後の不足分として000万円必要
だとします。
2000万円という数字だけを見ると、かなり大きく感じます。
ですが、ここで大事なのは、ただ不安になることではありません。
その2000万円を、何年かけて作るのか。
毎月いくら積み立てればいいのか。
ここまで逆算すると、老後資金はかなり現実的になります。
年利7%をひとつの目安として長期運用できたと仮定すると、NISAでの積立では次のようなイメージになります。
オルカンを年利7%で運用できたと仮定した場合の、毎月の積立額の目安
下の画像は金融庁のシミュレーション画像です。
オルカンを7%と少し低く見積もって、月6,9千円を15年積立結果です。
⚠️この画像見たく綺麗に右肩あがりならすごく気持ちが楽なんですが・・・実際の相場は毎年そんなにきれいには増えません。
上がる年もあれば下がる年もあり、資産は増減を繰り返しながら積み上がっていきます。


※以下は、オルカンを年利7%で長期運用できたと仮定した試算です。実際の運用成績を保証するものではありません。相場によっては増えない時期や大きく下がる時期もあります。
| 目標額 | 10年で作る | 15年で作る | 20年で作る | 25年で作る | 30年で作る |
|---|---|---|---|---|---|
| 1000万円 | 約5.8万円 | 約3.5万円 | 約2.2万円 | 約1.2万円 | 約0.8万円 |
| 2000万円 | 約11.6万円 | 約6.9万円 | 約4.4万円 | 約2.5万円 | 約1.6万円 |
| 3000万円 | 約17.3万円 | 約10.4万円 | 約6.7万円 | 約3.7万円 | 約2.5万円 |
| 4000万円 | 約23.1万円 | 約13.8万円 | 約8.9万円 | 約4.9万円 | 約3.3万円 |
| 5000万円 | 約28.9万円 | 約17.3万円 | 約11.1万円 | 約6.2万円 | 約4.1万円 |
この表を見ると、時間を味方につけることの大きさがよくわかります。
たとえば、老後の不足分として3000万円必要でも、
- 10年で作ろうとすると毎月約17.3万円
- 20年なら毎月約6.7万円
- 30年なら毎月約2.5万円
になります。
つまり、早く始めるほど毎月の負担はかなり軽くなります。
老後資金づくりでいちばんもったいないのは、
「まだ先の話」と思って何も考えないこと
なのかもしれません。
72の法則は、初心者がざっくり考える目安になる
投資初心者にとって便利なのが「72の法則」です。
これは、
72 ÷ 年利 = お金が2倍になるまでのおおよその年数
という考え方です。
たとえば年利7%なら、
72 ÷ 7 = 約10.3年
なので、ざっくり10年で資産が2倍になる目安です。
もちろん、実際の投資は毎年一定で増えるわけではありません。
ですが、長期投資をイメージするうえで、初心者にはわかりやすい考え方です。
「不足分として2000万円必要」と聞くと途方もない数字に見えますが、
それを「何年かけるか」「毎月いくらなら積み立てられるか」に変えると、少し現実的に見えてきます。
老後資金は、不安になるためではなく、見通しを立てるために考える
老後のお金の話になると、多くの人は不安ばかり大きくなります。
ですが本来、老後資金を考える意味は、ただ怖がることではありません。
自分に必要な金額を知って、見通しを立てること。
これが本来の目的です。
- 年金はいくらもらえそうか
- 老後の生活費はいくらになりそうか
- 毎月の不足はいくらか
- それが何年続くか
- 不足分をどう準備するか
ここまで整理できれば、老後のお金は「よくわからない不安」ではなくなります。

65歳時点で資産が720万円あったなら、年金+2万円を毎月生活費で使える!
完璧な予測はできなくても、ざっくり計算するだけで、「お金の不安が少なくなって」見える景色はかなり変わります。
まとめ
老後資金は、「老後2000万円必要」というような大きな数字だけで考えると、かえって不安が強くなります。
でも、本当に大事なのは、
自分の年金にあといくら必要なのか
を知ることです。
毎月の不足額がわかれば、必要な総額も見えてきますそし、使えるお金と使えないお金が見えてきます。
さらに、その不足分をNISAの積立でどう準備するかまで逆算すれば、やるべきことはかなりはっきりします。

私の親は老後のお金の不安から「欲しがりません死ぬまでは」のスローガンで貯蓄に励んで結果、「お金の使えない夫婦」が爆誕していました。
そして、これからお金がどれほど必要か?何に使うか?を一緒に教えたというか学んだと言うか、そんなこんなでやっと

なんだー足りんじゃん!しかも何?我々90歳まで生きるかもしれんの?
そんなんでやっと、家族で焼肉屋に行けるところまで改善しました。自分で稼いだお金です。息子たちに残すことより自分の幸せにお金を使って欲しいですね!
お勧め書籍や漫画
「老後のお金は、ただ残せばいいのか?」 そんな疑問を持った人に刺さる一冊です。 貯めるだけではなく、人生が豊かなうちにどう使うかを考えさせてくれます。
お金を使い切る難しさ。「金は天下の…の巻」は、両さんが大金を1週間で使い切ろうとするのに、なぜか使うほどお金が増えてしまう話です。適当に買った馬券が当たったり、球場か何かを貸し切るような無茶までしても使い切れない展開が印象に残る、こち亀らしい一話です。
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