失業保険をもらいながら職業訓練は受けられる?給付延長と月10万円の注意点

50代からの生き方とお金

退職後に職業訓練を考える人が、まず知りたいのは、

失業保険と職業訓練の併用を考える人

「失業保険をもらいながら職業訓練を受けられるのか?」

ということだと思います。

結論から言うと、失業保険を受けながら職業訓練を受けられる場合があります。

ハローワークから職業訓練の受講指示を受けて訓練を受ける場合、雇用保険の基本手当を受けながら、次の仕事に向けたスキルを学べることがあります。

さらに、条件によっては、訓練中に失業保険の所定給付日数が終わっても、訓練終了まで基本手当が延長される場合があります。

つまり、退職後の時間をただ不安に過ごすのではなく、失業保険を受けながら、次の仕事に向けて学び直す選択肢があるということです。

ただし、自分で選んだ民間スクールへ通うだけで基本手当が延長されるわけではありません。

大切なのは、ハローワークで相談し、職業訓練の受講指示を受けることです。

また、月10万円の職業訓練受講給付金は、失業保険とは別の制度です。

この記事では、退職後に職業訓練を受けたい人に向けて、失業保険を受けながら訓練できる場合、職業訓練受講給付金の条件、訓練中の生活費の注意点をわかりやすく整理します。

失業保険の給付日数より職業訓練の期間が長い場合はどうなる?

ここで気になるのが、

訓練期間と給付日数を確認するキャラクター

「失業保険の給付日数より、職業訓練の期間の方が長い場合はどうなるのか?」

という点だと思います。

たとえば、失業保険の給付日数が3か月分ある人が、4〜6か月のWebデザイン訓練を受けるとします。

普通に考えると、

訓練延長給付を説明するキャラクター

「失業保険は3か月で終わるのに、訓練期間が6か月なら途中から生活費が足りなくなるのでは?」

と思いますよね。

しかし、ハローワークの受講指示を受けて職業訓練を受ける場合、訓練中に失業保険の給付日数が終わっても、訓練終了まで基本手当が延長される場合があります。

つまり、条件に合えば、失業保険を受けながら職業訓練を続けられる可能性があるということです。

これは、退職後にスキルを身につけたい人にとって大きなポイントです。

訓練延長給付には、ハローワーク所長の受講指示が必要です。

必ずハローワークで相談し、

受講指示の確認を促すキャラクター

「自分の場合、受講指示を受けられるのか」

「訓練中に基本手当が延長される可能性があるのか」

を確認してください。

職業訓練は「次に進むための準備期間」にもなる

私だったら、職業訓練をこう考えると思います。

退職後の進路に迷う人

「やりたい仕事があるなら、もうとっくに始めている」

「本当に学びたいことがあるなら、少しずつでも勉強している」

人生の流れで仕事を辞めることになった。

収入が途切れた。

でも、次に何をやりたいのかはっきりしない。

それでも生活は続いていく。

こういう状況は、決して珍しくないと思います。

そんなときに、

職業訓練を準備期間として考えるキャラクター

「とりあえず、これなら学んでみてもいいかもしれない」

くらいの気持ちで職業訓練を考えるのも、私は悪くないと思います。

もちろん、失業保険が終わったあと、職業訓練受講給付金で月10万円を受け取れる場合があっても、それだけで生活するのは簡単ではありません。

貯蓄がまったくなければ、訓練を続けること自体が難しい人もいると思います。

だからこそ、職業訓練は夢や希望だけで語る制度ではないと思います。

私の本音を言えば、職業訓練は「次に進むための時間稼ぎ」にもなります。

家で一人で、

太丸
太丸

「自分は何がしたいのか」

「次に何を目指せばいいのか」

と考えていても、答えが見つからないことは多いです。

でも、職業訓練に通えば、規則正しい生活ができます。

新しい知識を学べます。

人との関わりも生まれるかもしれません。

その中で、

太丸
太丸

「このスキルなら少し自分に合うかもしれない」

「もしかしたら、この分野で少し稼げるかもしれない」

「覚えて損はないスキルかも知れない」

と思えるきっかけが見つかるかもしれません。

職業訓練は、必ず人生を変えてくれる魔法の制度ではありません。

でも、退職後に立ち止まってしまった人が、もう一度生活のリズムを作り、次の可能性を探す時間にはなると思います。

焦って合わない仕事を選ぶ前に、失業保険や給付制度を確認しながら、少し学んでみる。

それも、50代からの現実的な立て直し方の一つだと思います。

職業訓練とは

職業訓練とは、再就職や転職を目指す人が、仕事に必要な知識やスキルを学ぶための制度です。

ハローワークで相談し、自分に合った訓練コースを探していきます。

たとえば、次のような分野があります。

・パソコン、事務
・Webデザイン
・プログラミング
・介護
・医療事務
・簿記、経理
・CAD
・ものづくり系の技術

職業訓練は、退職後の空白期間を「何もしていない期間」にするのではなく、次の仕事や人生に向けた準備期間にできる制度です。

もちろん、訓練を受ければ必ず希望の仕事に就けるわけではありません。

それでも、退職後に不安だけを抱えて過ごすより、次の仕事に必要なスキルを学べるのは大きなメリットです。

職業訓練は基本的に無料で受けられる

職業訓練は、受講料が無料のものが多いです。

普通に民間スクールへ通えば、数万円から数十万円かかることもあります。

それを無料で学べる可能性があるのは、退職後にスキルを身につけたい人にとってありがたい制度です。

ただし、すべてが完全に無料というわけではありません。

教材費、資格試験料、交通費などが自己負担になる場合があります。

コースごとの費用は、申込前に募集要項と窓口で確認してください。

申し込む前に、次の点は確認しておいた方が安心です。

・受講料は無料なのか
・教材費はいくらかかるのか
・資格試験料は必要か
・交通費は支給されるのか
・訓練期間はどのくらいか

「無料で学べる」と聞くと、すべての費用がゼロだと思いがちです。

受講料は無料でも、教材費や資格試験料など、細かい費用がかかる場合があります。
費用が気になる場合は、申し込む前にハローワークや訓練校の窓口で確認しておきましょう。

職業訓練の期間はどれくらい?

職業訓練の期間は、学ぶ内容によって変わります。

短いものでは2〜3か月、ITやWeb系では4〜6か月、資格取得を目指す長期コースでは1年以上かかる場合もあります。

目安としては、次のようなイメージです。

分野・職業訓練コース期間の目安向いている人
ビジネスパソコン基礎2〜3か月Word・Excelなど事務の基本を学びたい人
事務・経理・簿記3〜4か月事務職、経理補助、会計入力などを目指す人
医療事務・調剤事務3〜4か月医療機関や薬局で働きたい人
介護職員初任者研修2〜3か月介護職へ早めに就職したい人
Webデザイン4〜6か月デザイン、サイト制作、在宅系の仕事に興味がある人
プログラミング・IT基礎4〜6か月IT業界への転職を目指したい人
CAD・ものづくり系3〜6か月製造、設計補助、建築・機械系に興味がある人
電気工事・設備系6か月〜1年程度手に職をつけたい人、設備・工事系を目指す人
介護福祉士など長期養成系1〜2年程度国家資格や専門職を本格的に目指す人

これはあくまで目安です。

実際の訓練期間は、地域や訓練校、募集コースによって変わります。

気になる分野がある場合は、ハローワークインターネットサービスの「職業訓練検索」で、最新のコースを確認してみてください。

ハローワークインターネットサービス|職業訓練検索・一覧

月10万円の職業訓練受講給付金とは

職業訓練受講給付金は、求職者支援制度の支給要件をすべて満たす人が、訓練を受けながら月10万円の職業訓練受講手当などを受けられる制度です。詳しい要件は厚生労働省「求職者支援制度のご案内」で確認できます。

正式には、求職者支援制度の中の給付金です。

主に、雇用保険を受けられない人や、雇用保険の受給が終わった人などを支える制度です。

ただし、職業訓練を受ければ誰でも10万円をもらえるわけではありません。

ここはとても大切です。

正しくは、

「条件を満たした人は、職業訓練を受けながら月10万円の給付を受けられる場合がある」

です。

失業保険を受けている人は、まず失業保険を受けながら訓練を受けられるかを確認します。

一方で、失業保険を受けられない人や、受給が終わった人は、職業訓練受講給付金の対象になる可能性があります。

Q. 失業保険をもらいながら、さらに月10万円の給付金も受け取れるの?

A. 基本的には、失業保険に月10万円が上乗せされるわけではありません。

ここはかなり勘違いしやすい部分です。

「職業訓練を受けると月10万円もらえる」と聞くと、

失業保険と月10万円給付の違いを説明するキャラクター

「失業保険をもらいながら、さらに10万円もらえるの?」

と思う人もいるかもしれません。

ですが、失業保険を受けている人は、基本的には雇用保険の基本手当を受けながら職業訓練を受ける形になります。

一方で、月10万円の職業訓練受講給付金は、主に失業保険を受けられない人や、失業保険の受給が終わった人などを支える制度です。

つまり、

・失業保険を受けている人
→ 失業保険を受けながら職業訓練を受けられる場合がある

・失業保険を受けられない人、または受給が終わった人
→ 条件を満たせば、月10万円の職業訓練受講給付金の対象になる場合がある

というイメージです。

そのため、「失業保険+月10万円」と考えないように注意してください。

自分の場合にどちらの制度が対象になるかは、ハローワークで確認してみるのが確実です。

職業訓練受講給付金の主な条件

職業訓練受講給付金を受けるには、いくつかの条件があります。

主な条件は次の通りです。

確認されること主な条件
本人収入月8万円以下
世帯収入月30万円以下
世帯金融資産300万円以下
不動産現在住んでいる場所以外に土地・建物を所有していない
出席原則すべての訓練日に出席
やむを得ない欠席証明できる場合でも8割以上の出席が必要
同世帯の受給同じ世帯で同時に給付金を受けて訓練を受けている人がいない
過去の受給過去6年以内に職業訓練受講給付金を受けていない
不正受給過去3年以内に不正に特定の給付金を受けていない

特に注意したいのは、世帯収入と金融資産です。

本人だけでなく、同居している家族や、生計を一つにしている配偶者、子、父母なども世帯として見られる場合があります。

つまり、自分の収入が少なくても、世帯全体の収入や金融資産によっては、給付金の対象外になることがあります。

ただし、給付金の条件を満たさない場合でも、職業訓練そのものを受けられる場合があります。

「10万円がもらえないなら意味がない」とすぐに判断せず、まずはハローワークで相談してみることが大切です。

個人事業主や法人経営者だった人も職業訓練を受けられる?

個人事業主や法人経営者だった人も、条件によっては職業訓練を受けられる可能性があります。

ただし、会社員を退職した人とは少し扱いが違います。

ここはハローワークで確認した方がよい部分です。

たとえば、フリーランスや自営業をしていた人でも、すでに廃業していて、これから再就職を目指す場合は、求職者支援制度の対象になる可能性があります。

一方で、現在も事業を続けている場合や、法人の役員として残っている場合、役員報酬を受け取っている場合などは、「失業中の求職者」とは見られにくいことがあります。

職業訓練は、基本的に再就職を目指す人のための制度です。

そのため、個人事業主や法人経営者だった人は、次のような点を確認される可能性があります。

・すでに廃業しているのか
・会社役員を退任しているのか
・役員報酬や事業収入があるのか
・再就職する意思があるのか
・ハローワークで求職者として扱われるのか

自分で「経営者だったから無理」と決めつける必要はありません。

事業や役員の状況、収入、再就職の意思によって扱いが変わるため、事実をそのままハローワークへ伝えて確認してください。

個人事業主や法人経営者だった人ほど、まずハローワークで正直に状況を伝えて、

「自分の場合、職業訓練を受けられるのか」

「職業訓練受講給付金の対象になるのか」

を確認してみてください。

月10万円だけで生活できるかは別問題

職業訓練受講給付金は、条件を満たせば月10万円を受け取れる制度です。

ただし、現実問題として、月10万円だけで生活できる人は限られると思います。

  • 家賃。
  • 食費。
  • 光熱費。
  • スマホ代。
  • 保険料。
  • 国民健康保険料。
  • 国民年金保険料。

こうした支払いを考えると、月10万円だけで生活をまかなうのは簡単ではありません。

特に一人暮らしの人や、家族を支えている人は、かなり厳しいと思います。

だからこそ、職業訓練を受ける前に、生活費の見通しを立てておくことが大切です。

訓練中の生活費を確認するキャラクター

・訓練期間中にいくら必要か
・貯金をどれくらい取り崩すことになるか
・失業給付や他の制度と組み合わせられるか
・家計をどこまで見直せるか

ここを考えてから受講した方が安心です。

職業訓練は良い制度ですが、生活費の不安を完全に消してくれる制度ではありません。

職業訓練のメリット

職業訓練には、いくつか大きなメリットがあります。

まず、無料で学べる可能性があることです。

退職後に自分でスクールに通うと、それなりにお金がかかります。

しかし、職業訓練なら、受講料無料で学べるコースがあります。

次に、ハローワークの就職支援を受けられることです。

訓練を受けて終わりではなく、就職相談、応募書類の作成、面接対策などにつながる場合があります。

また、退職後の空白期間を、学び直しの期間にできるのもメリットです。

履歴書で説明しにくい空白期間も、

職業訓練の経験を応募先へ説明するキャラクター

「職業訓練でスキルを身につけていました」

と言えるようになります。

応募先には、訓練で何を学び、仕事でどう生かせるかを具体的に説明しやすくなります。

職業訓練の注意点

一方で、注意点もあります。

まず、希望するコースに必ず入れるとは限りません。

人気のあるIT系やWebデザイン系は、応募者が多い場合があります。

また、職業訓練は出席がかなり大切です。

給付金を受ける場合は、原則としてすべての訓練日に出席する必要があります。

やむを得ない理由で欠席する場合でも、出席率の条件があります。

アルバイトをしながら受講する場合も注意が必要です。

収入が増えると給付金の条件に影響する場合がありますし、アルバイトで訓練を欠席すると問題になることもあります。

さらに、教材費や資格試験料が自己負担になることもあります。

無料で学べる制度とはいえ、細かい支出がゼロとは限りません。

ハローワークでどう相談すればいいか

職業訓練について相談したい場合は、まずハローワークです。

ハローワークで求職の申し込みをして、自分の状況に合う訓練があるかを相談します。

最初の相談では、このように伝えれば大丈夫です。

ハローワークへの相談方法を案内するキャラクター

「Webデザインや事務系の職業訓練に興味があります。自分の場合、受講指示を受けられるか知りたいです」

「職業訓練受講給付金の対象になるかも確認したいです」

難しい言葉を使う必要はありません。

今の状況をそのまま伝えれば、担当の方が案内してくれます。

相談前に確認しておきたいこと

ハローワークへ相談する前に、次のことをざっくり確認しておくと話が進みやすいです。

・退職日
・雇用保険の加入状況
・失業給付を受けているか
・現在の収入
・世帯の収入
・金融資産の状況
・希望する職種
・学びたい分野
・通える地域
・訓練中の生活費の見通し

すべて完璧に準備する必要はありません。

ただ、自分の生活費や収入の状況をざっくり把握しておくと、相談もスムーズになるためです。

どれくらいの人が職業訓練を受講してるの? 

2024年度の求職者支援訓練の利用状況

求職者支援訓練は、実際に多くの人が利用しています。

厚生労働省の実績資料によると、2024年度(令和6年度)に開始した求職者支援訓練の受講者数は合計38,945人でした。令和6年度 求職者支援訓練実績で確認できます。

内訳は、基礎コースが6,129人、実践コースが32,816人です。

年度内容受講者数
2024年度・令和6年度求職者支援訓練 合計38,945人
2024年度・令和6年度基礎コース6,129人
2024年度・令和6年度実践コース32,816人

この数字を見ると、職業訓練や求職者支援訓練は、決して一部の人だけの特別な制度ではありません。

退職後に次の仕事へ進むための選択肢として、実際に利用している人がいます。

ただし、利用できるかどうか、給付金を受けられるかどうかは、人によって違います。

まずはハローワークに相談して、自分の場合はどうなるのかを確認してみてください。

まとめと私の感想

退職後や収入が減ったとき、すぐに次の仕事を探すだけでなく、職業訓練でスキルを身につけるという選択肢があります。

失業保険を受けている人でも、ハローワークの受講指示を受けることで、失業保険を受けながら職業訓練を受けられる場合があります。

さらに、条件によっては、訓練中に失業保険の給付日数が終わっても、訓練終了まで基本手当が延長される場合があります。

退職後の学び直しを考えるキャラクター

前の仕事で心身ともに疲れてしまった。

少し充電期間がほしい。

すぐに次の職場へ行く気持ちになれない。

そう感じる人もいると思います。

私も、それは自然なことだと思います。

休養が必要な人もいます。再就職へ動ける状態になったら、職業訓練も選択肢として検討できます。

家にいる時間が長くなると、気持ちが沈みやすくなったり、次に何をすればいいのか分からなくなることもあります。

だからこそ、条件が合うなら、職業訓練で何か一つでもスキルを学ぶ期間にしてみるのも良いと思います。

  • 職業訓練に通うことで、生活のリズムが整うかもしれません。
  • 今までの仕事や生活を、少し落ち着いて振り返る時間になるかもしれません。
  • 新しい知識を学ぶ中で、新しい出会いや、次の働き方のヒントが見つかるかもしれません。

職業訓練は、ずっと続くものではありません。

期間が決まっているからこそ、その短い時間を「次に進むための準備期間」として使うことができます。

もちろん、職業訓練を受けたからといって、必ず人生が変わるわけではありません。

それでも、退職後に立ち止まってしまった人にとって、職業訓練はもう一度前に進むきっかけになる可能性があります。

もし今、退職後の生活や再就職に不安を感じているなら、まずはハローワークで相談してみてください。

「自分は対象になるのか」

「どんな訓練があるのか」

「失業保険を受けながら訓練できるのか」

これを確認するだけでも、次に何をすればいいかが少し見えてくると思います。

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